こんにちは。
院長の浦野です。
今回はよくご質問いただく『歯石や口臭などお口のトラブル』について、基礎的なお話しをしてみようと思います。
みなさん、歯石はどのようにできるかご存知でしょうか?また、お口はどうして臭うのでしょうか?
その根本的な原因は”歯垢がたまること”にあります。
では、歯垢とは何でしょう?
歯垢とは、食べかすを餌に増殖した”細菌の塊”のことを言います。
歯垢=食べかす と思われている方も少なくないと思いますが、残念ながら正確には正しくありません。
かくいう私自身も、わかりやすさを重視して、このような表現でお話しさせていただくことも正直ありましたが、間違いです。申し訳ございません。
プラークコントロール!という言葉をCMなどで耳にしたことがあるかもしれません。
プラーク=歯垢 のことであり、その本体は細菌の塊ということになります。
歯垢はネバネバとして粘着性が強く、水ですすいでも簡単にはとれません。
そして、歯垢に唾液中のミネラル(リンやカルシウムなど)が沈着し固まると”歯石”になります。
また、細菌が食べかすを分解した際に出てくる物質が、口臭の原因となります。
さらには、細菌の増殖により歯肉に炎症を起こすようになると、歯肉炎や歯周病といった病気につながっていきます。
犬では歯垢が2〜3日程度経過すると、歯石になってしまうといわれています。そして歯石になったら最後、磨いてもとれなくなるどころか、歯の表面積が増え、表面もザラザラしてしまうため、さらに歯垢がつきやすい環境となります。それが歯石になり・・・の悪循環に陥っていきます。
したがって、口の中の健康を維持するためには
①原因となる歯垢をためないようにする・取り除くこと
②歯垢がつきやすい原因となる歯石を除去すること
がどうしても必要ということになります。
結論としては、ものすごく当たり前のことを言っているだけになってしまいましたが、
今回お伝えしたかったことをまとめると
①歯垢(細菌の塊)が歯石や口臭、歯周病の根本原因であること
②歯垢が2〜3日すると歯石になってしまうので、それまでに歯垢を除去する必要があること
③歯石は歯垢がつきやすい環境をつくり、悪化要因となること
これらのことを意識しながら、できればご自宅でデイリーケアをしていただければと思います。
次回は具体的にどうすればよいのか、病院ではどういったことができるのかについてお話ししたいと思います。
歯石や歯垢がどのようなものか画像を載せておきますので、参考になれば幸いです。