ワクチンプログラム(混合ワクチン)について~犬①~

こんにちは。院長の浦野です。

ワクチンプログラムは病院のよって考え方や採用するプログラムが異なることもありますので、あくまでも当院の考えとして参考にしていただければと思います。

当院では、世界小動物獣医師会(WSAVA)が提唱するワクチンプログラムをもとにしています。2024年に新しく改定された内容も含め、必要なところをピックアップして、少しずつ解説します。待てないよという方は、検索していただくと原本を閲覧できますので、参考にしてください。

大まかな内容は以下の通りです。

ワクチンで予防できる病気を理解しましょう! → 何種のワクチンを打てば良いかわかります。

②ワクチンプログラムを理解しましょう! → どのように接種すればよいかわかります。2回 or 3回 or 何年後?

では、早速いきましょう!今回は犬の①(病気を知りましょう!)です。

まず、ワクチンは大きく2つに分けて考えます。コアワクチンノンコアワクチンといいます。

コアワクチンとは『世界的に重要な感染症に対するワクチンで、すべての犬が接種すべきもの』

ノンコアワクチンとは『個々の生活環境を考慮し、必要な場合に接種すべきもの』です。

コアワクチン:犬ジステンパーウイルス・犬アデノウイルス(1型)・犬パルボウイルス(2型)

ノンコアワクチン:犬パラインフルエンザウイルス・犬アデノウイルス(2型)・レプトスピラ など

では、個々の病気について簡単に説明します。

①ジステンパー(犬ジステンパーウイルス)

感染犬の鼻水・目ヤニ・尿などにウイルスが含まれ、感染すると発熱・下痢・鼻炎・結膜炎・呼吸器症状・神経症状などを引き起こします。子犬では死亡率の高い感染症です。

②犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型)

感染犬の便・尿・唾液などから感染し、下痢・嘔吐・食欲不振などを示し、肝炎を起こします。

③犬パルボウイルス感染症(犬パルボウイルス2型)

感染犬の便から感染し、激しい下痢・嘔吐(腸炎型)や突然死(心筋炎型)を起こします。感染力が強く、死亡率の高い感染症です。

④犬パラインフルエンザウイルス

犬の呼吸器症候群(ケンネルコフ)の原因の1つとされ、咳や鼻水など風邪症状をしまします。飛沫などから感染します。

⑤犬伝染性喉頭気管炎(犬アデノウイルス2型)

ケンネルコフの原因の1つとされ、犬パラインフルエンザウイルスと同様の症状を引き起こします。

⑥犬レプトスピラ病(レプトスピラ)

細菌が原因の感染症で、保菌動物(ネズミなど)の尿中に細菌が排泄され、環境を汚染し(土壌や河川など)感染源となります。細菌は経皮的・経口的に感染し、腎炎や黄疸などの症状を起こします。また、人にも感染する人獣共通感染症の1つです。保菌動物が多くいると考えられる地域や、感染の報告がある地域、山川へ連れていく機会の多い場合などは接種が推奨されます。

では、何種混合ワクチンを選択すればよいでしょうか?主なものを表にしてみました。

5種混合~10種混合ワクチンの違いは、

  1. レプトスピラ病のワクチンが入っているかどうか 
  2. レプトスピラ病の型が2つ or 4つ入っているか 
  3. コロナウイルスのワクチンが含まれるか

3.コロナウイルスのワクチンに関しては、

  • 感染が通常、ワクチンプログラムが始まる前(生後6週齢より前)に起こることが多く、ワクチン接種で予防するのが難しいこと
  • 病原性が弱く、感染しても症状(下痢)が軽度であること

などから、接種を推奨しないとされています。また、ヒトの新型コロナを予防する効果もありません。

レプトスピラ病に関しては、生活環境や発生状況を考慮して、接種するべきかを考える必要があります。

以上をふまえて当院では、5種と7種混合ワクチンを取り扱っております。不明な点などあれば、お問い合わせください。

いかがでしたでしょうか?

何となくワクチン接種をされていた方、何種を打てばよいか迷われいる方に、少しでもお役に立てれば幸いです。                                                        

次回は犬②(ワクチン接種の仕方について)についてお話しします。